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税金の申告に役立つ仕訳の知識

個人事業主の経費の仕訳と勘定科目

交際費

会議費と混同しがちですが、交際費は「接待」に要した費用なので、仕事の打ち合わせとは異なります。
個人事業主は交際費を無制限に計上できます。しかし税金を節約するために必要以上に計上する人が多く見られるため、税務署員がチェックをする際に特に目をつけています。
後で焦る事がないよう、ひとつひとつの伝票・レシートの詳細を明確にしておく必要があります。
※1人あたりの飲食金額が5,000円以内の接待の場合は会議費への計上が可能です。

交際費として経費算入する事が可能な主な接待は以下のとおりです。

仕事の得意先との飲食代
取引先などへの土産
忘年会などのイベント費用（全額負担した場合）
招待した際のタクシー代等送迎代金
接待でのゴルフプレー料金とその交通費・利用税
店舗前に飾る花やお祝いの金品
事務所を移転した際のお祝い
お中元・お歳暮
クライアントや取引先関連の人の出産祝い・結婚祝儀・慶弔費・香典など
クライアントが家を買ったりした場合の新築祝い・転居祝い
取引先の一員が外国へ転居する際などの餞別
個人事業主（自分）が負担する旅行代金（親睦旅行・招待旅行等）
ミュージカルやバレエ・音楽会などのチケット代（招待した場合に限る）
根拠のある金券やビール券・商品券・図書カードなどの贈答

いずれにせよ、税務署員に問われた際に「5W1H」（誰といつどこで何のために何をしたか）をパッと出せるようにしておきましょう。

仕訳例

デザイナーで個人事業主のCは、得意先の出版会社の社員Dを自分の行きつけの居酒屋に招き、その飲食代10,000円を現金で支払った。

（借方）　交際費 10,000　（貸方）　現金 10,000

アフィリエイトで生計をたてている個人事業主のEは、記事を執筆してもらっているFとイラストを依頼しているGに贈答するお歳暮を購入した。その際の代金15,000円を個人用のカードで支払った。

（借方）　交際費 15,000　（貸方）　事業主借 15,000

※法人の場合は「未払金」として処理し、すぐに現金などで精算するのが通常の仕訳方法です。

カフェを経営している個人事業主のHは、重要な仕入先の社員を東京都新宿区の料亭に招き、飲食代ひとりあたり4,500円で計9,000円を支払った。その際に交際費として処理していたが、会議費に計上する事が可能なため振替仕訳を行った。

（借方）　会議費 9,000　（貸方）　交際費 9,000

社外の人を接待目的で食事に招いた場合でも、飲食に要した費用がひとり5,000円以内であれば会議費として処理する事ができます。
いずれにせよ、取引先と飲食をした場合は、「名称および年月日の掲載のある領収書」に、その際に参加した相手方の法人名と個人名をメモしておく癖をつけるようにしましょう。

（借方）　交際費 15,000　（貸方）　事業主借 15,000

※法人の場合は「未払金」として処理し、すぐに現金などで精算するのが通常の仕訳方法です。