個人事業主の開業と税金ガイド > 個人事業主のための「かみくだき簿記検定」
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個人事業を始める前に経理や簿記も勉強しなくちゃいけないから、簿記の勉強始めるぞ!と張り切って取り組んだ人でも、いきなり躓いたり疑問に思うのがこの借方・貸方のしくみというか意味です。簿記学校などの講義もまずこの説明から入るケースが多いのですが、はじめて簿記を覚える人にとって最もやっかいなものだったりします。
現金などの「得するイメージ」がある勘定科目が増えると左の「借方」、支払手形などの「負のイメージ」がある勘定科目が増えると右側の「貸方」、といった覚え方をすると、「売上」といった得するイメージの勘定科目が増えた時に右の貸方にくるのが、「なんでやねん」となりがちです。そもそも「現金とか資産が増えるのになんで“借り”やねん!」て思いますよね。
しかしはっきりいってこんなものはすぐに理解できるものではありません。「私にもいつかわかる日がくるだろう」と悠長な気持ちでいるのが得策です。「こんな基本(って講師が言うもの)が分からないようでは無理かもしれない」などと思わないようにしましょうね。
簿記検定には昔からいくつか種類がありますが、近年では日商簿記検定しか聞かなくなったといっても過言ではありません。
他の検定試験を取得するのが悪いという訳ではありませんが、どうせならメジャーな日商簿記検定を勉強するのがいいでしょう。参考書もたくさんあって選び放題ですしね。
日商簿記検定は4級もあるのですが、はじめての人でもきちんと勉強すれば3級でもすぐに理解できます。てか、「簿記4級持ってます」と人に言っても「えっ?4級ってあるんだ。なんで3級じゃないんだ」と心の中で思われる可能性が高いので、どうせなら3級から取得しましょう。参考書代や検定料金もタダではないですしね。
「借方」「貸方」の意味が理解できればあっという間に3級レベルの知識は取得できます。最初の「借方とかってなんやねん」というレベルを乗り越えれば「あれ?いつのまにか簿記の根本(こんぽん)がわかってきた」という感じになり、3級合格にたどり着きます(たぶん)。
簿記の問題や例題に必ず出てくる「仕訳」というのがあります。多くの場合、その時おこなった取引や現金等の動きを文章にして、その際にどんな勘定科目がいくら増えたり減ったりしたかを「メモ」するようなものです。
個人事業主になって青色申告をするようになると、現金出納帳などいくつかの帳票を作成することになりますが、その元帳を作成する基本となるものといったところです。ですのでここが間違っているとそれを元に作成した帳簿すべてに間違いが発生してしまうという、「基本であって最重要なもの」といえますね。
とはいえ、3級で出題される仕訳問題は、ある程度勉強すれば理解できるようになるので心配する必要はありませんよ。
検定合格だけが目的の人はおいといて、個人事業主としてはこれらの意味はしっかりと理解したいところです。どのように理解するかは人それぞれですが、ひとつの覚え方として「資産と負債は会社の状態をあらわすもの」、費用と収益は「会社の業務成績をあらわすもの」とでも覚えておくといいでしょう。
とりあえず3級簿記をかじったけど実戦経験がないような人に「資産と負債の違いは?」と聞いてみましょう。なかには「資産は左にくるもの、負債は右にくるもの」と答える人がいるでしょう。
日商簿記3級というのは、その程度の理解力でも十分に合格できる検定です。しかしこれから実践で個人事業主として帳簿をつけようとする人は、そんな「検定のための簿記の勉強」ではなく「青色申告のための勉強」ですから、根本から理解するようにしましょうね。
仕訳をするには必ずこの「勘定科目」というのが必要になります。種類が豊富なので「なんか覚える事いっぱいありそうだなあ」と思ってしまいそうですね。
個人事業主の場合は自分が使用する勘定科目はある程度限られているものの、簿記検定の場合はいろいろ覚えなければならないのは事実です。
でも、ひとつひとつを見てみると馴染みのあるものばかり。練習問題を何度もやっていると、「またこの科目か。ひねりがないのう」と思うようになってくるので心配はいりませんよ。
とりあえず日商簿記検定3級で頻繁に出現する勘定科目を表にしてみましたが、最初は「こんなのがあるんだな」と思う程度で十分ですよ。
この他にも勘定科目はたくさんありますが、一度に覚えようとせずに少しずつ慣れていきましょう。
資産 | 現金・普通預金・当座預金・売掛金・受取手形・有価証券・小口現金・未収金・建物・備品など |
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負債 | 買掛金・支払手形・未払金・借入金など |
費用 | 仕入・消耗品費・旅費交通費・支払家賃・支払利息など |
収益 | 売上・雑収入など |
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